Megumi Sano

佐野 恵

名古屋生まれ。母の手ほどきで、2歳半からピアノを弾き始める。9歳から作曲を中田直宏氏に師事。桐朋学園女子高等学校音楽科を経て、同学園大学音楽学部入学。

桐朋在学中、専攻のピアノを松岡貞子、作曲を三善晃、香月修、和声を飯沼信義の各氏に師事し、ピアノ三重奏曲と弦楽四重奏曲他を発表。

ピアニスト、内田光子の後援を得て、ベルギーのブリュッセル王立音楽院に入学、ピアノ・ソロと室内楽で、プルミエプリ・ディプロムを得る。その後、本拠地をドイツに移し、ケルン音楽大学を最優秀で卒業。さらに、ロンドンで、 研鑚を積む。                                                ダニエル・ブルーメンタール、アンドレ・ドゥ・グローテ、パヴェル・ギリロフそして、ハインリッヒ・ネイガウスの最後の弟子の一人、アンジー・エステルハージー各氏に師事。

テヌート音楽コンクール(ベルギー)、セネガリア国際コンクール(イタリア)、マリア・カナルス国際コンクール(スペイン)他での受賞歴を経て、1994年に、コンツェルト・イグザーメンを取得。

ヨーロッパでは、1987年以降、ベルギー、ドイツ、フランスの各地においてのリサイタル、オーケストラとの共演、また、日本では、1990年にデビュー、リサイタル、オーケストラと共演。

1997年の名古屋でのリサイタルが、“ アンコール’98”に、器楽部門105回の中から選ばれ、 2000年のリサイタルが、平成12年度名古屋市民芸術祭賞を音楽部門にて受賞。

2000年に、CD “アドルフ・イェンゼン、ピアノ作品集“(世界初録音)、2005年、CD第2弾  “アナトール・リアードフ、ピアノ作品集“、そして、2011年に、ソロCD第3弾            “ノーベルト・ブルグミューラー、ルートヴィッヒ・シュンケ、ロベルト・シューマンのピアノ作品“ を ドイツのアルス・プロダクションより、リリース、各専門誌で好評を得る。 その他、2010年、ショパン、ポーランドの歌曲 作品74全曲録音、以来、歌曲の伴奏でも活動、      ドイツ歌曲、フランス歌曲に留まらず、ロシア歌曲も好んで演奏。

ソロ活動の他、室内楽、近年では特に、ノートス管楽五重奏団との共演で活躍中。    2016年、ライネッケ・トリオを結成。

演奏活動の傍ら、後進の指導にもあたって、マスター・クラスで講師も務める。

=教鞭、教師歴=

オクセンハウゼン国際ピアノ、ヴァイオリン青少年
マスターコース講師。
カールスルーエ市立バーデン・コンセルヴァトリウム
講師就任。
カールスルーエ市立バーデン・コンセルヴァトリウム
にて、代行講師として教鞭をとる。
定期的にドイツ青少年音楽コンクール地方大会
(ゲルメェルスハイム、ハイデルベルグ)の審査員を
務める。
ドイツ青少年音楽コンクール、地方大会
(フォルツハイム、ベブリンゲン)の審査員を務める。
ドイツ青少年音楽コンクール、地方大会
(フォルツハイム)の審査員を務める。
拠点を南西ドイツ、カールスルーエに移し、3歳から、青少年、成人、シニア、入学試験、卒業試験、
コンクール、コンサート準備を含め、あらゆる年齢層のプライヴェート・レッスン活動再開。
ボン市立カール・フォン・オシェツキー高等学校に
おいて、ピアノ・クラスを受け持つ。
ケルン音楽大学のパーヴェル・ギリロフ教授の助手を
務める。
ベルギッシュ・グラッドバッハ市立マックス・ブロッホ
音楽院 講師。
音楽大学入試準備プライヴェート・レッスンの他、
聴音、ソルフェージュ、初見のレッスン活動。
数々の生徒が、ドイツ青少年音楽コンクール入賞、又、
ケルン、デュッセルドルフ、エッセンなどの音楽大学に
合格する。
定期的にドイツ青少年音楽コンクール地方大会(ボン、オイスキルヒェン、ケルン、ラインベルグ、オベェーベルグ、南ウェストファーレン)の審査を務める。
ブリュッセル、ボン、デュッセルドルフにて、プライヴェート・レッスン活動。

聴音とソルフェージュ

30年を越えるピアノ教師としての経験、特にその内のドイツでの27年以上の経験から、聴音とソルフェージュが、プロ、アマチュアを問わず、音楽と関わっていく上で、どんなに大切な基礎、基本であるか、はっきりとわかります。
ここでいうソルフェージュとは、旋律、メロディー、声部の各音を声に出して歌うこと、聴音とは、単旋律、多声旋律を拍リズムと共に、聞き取って五線紙に書き留めることです。

フランス、ベルギー、イタリアなどでは、楽器を習い始める場合、1年間ソルフェージュのレッスンを受けることが前提で、つまり、楽器に触れるのは、申し込んでから1年後、といいます。
この制度には、楽器に触れる愉しみを、最初におあずけにするという難点はあるものの、後々の楽器での進歩過程の速さを考えると、メリットの方が大きいのです。

これまでに、プライヴェート・レッスンのみで、両親の合意の下、ピアノのレッスンと並行して、聴音・ソルフェージュのレッスンを行ってきましたが、聴音・ソルフェージュのレッスンの並行を合意した生徒と、遠慮、回避した生徒では、譜読み、呼吸、音の感知、姿勢の面で、後に差が出てきています。

音楽は、言葉、言語と同様です。ひとつひとつの音は、母音と子音に過ぎないけれど、母音と子音が様々に組み合わり、それがメロディーになれば、歌う(話す)ことになるし、それが和音となれば、聴く(理解する)ことに繋がるのです。

これは、演奏する側、聴衆にかかわらず、音楽を愛するすべての人にとって、必要な基礎といえるでしょう。
ここでは、この基礎を、リズムと共に、システムに沿って段階を踏みながら築いていきます。

歌うこと、描くことに興味を示すなら、3歳から始める事ができます。
6歳までは、お母さんか、お父さんのどちらかが個人レッスンに付き添うことを勧めます。7歳以降は、最初は個人レッスンで、半年から1年後、必要とレベルに応じてグループの聴音・ソルフェージュのレッスンを勧めます。

我が子に何らかの形で、専門、趣味にこだわることなく音楽に接してほしいと望んでいる小さなお子さんをお持ちのお父様、お母様、聴音・ソルフェージュの能力は、特に右脳を活発にするともいわれています。

聴音・ソルフェージュのレッスンについての質問、或いは、興味のおありの方は、まず、メールアドレスmegumisano@web.deまで、お問い合わせください。

コンサート情報

Konzert in Baden-Baden
Dezember 2018 | Der Termin steht noch nicht endgültig fest
ゼメスター・シンフォニー・コンサート
(共演:Collegium Musicumカールスルーエ大学交響楽団)

2017年2月11日(土)20時開演
会場:カールスルーエ市、カールスルーエ大学、 Gerthsen Hörsaal, Karlsruhe
ホーム・コンサート
2017年4月2日(日)
会場:シュトゥットガルト市(プライヴェート)
式典コンサート“アドルフ・ケェルンの作品”
2017年11月2日(木)18時開演
会場:シュヴェービッシュ・グミュント市、市立音楽院ホール
チャリティーコンサート “Eine neue Orgel für die Kleine Kirche”
2016年3月4日(金)20時開演
会場:カールスルーエ市、Kleine Kirche Karlsruhe am Marktplatz
ピアノ・リサイタル
2016年3月18日(金)20時開演
会場:トリア市、Museum am Dom

2016年、
日本コンサート・ツァー・ 佐野恵 & ノートス・クィンテット

会場:名古屋市、名東小文化劇場
5月15日(日)14時開演
会場:東京都、スペース・ドゥ
5月20日(金)19時開演
会場:大阪府、天満教会
5月22日(日)17時開演
会場:大阪府、天満教会
5月25日(水)19時開演 (共演:大阪室内楽オーケストラ)

マチネー “ ロマン派の管楽器とピアノでの室内楽”
2016年12月4日(日)11時開演
会場:バーデン・バーデン市、 Alten Ratssaal
チャリティーコンサート「岩手のために」
2015年3月15日(日)11時開演
会場:バーデン・バーデン市、Alten Ratssaal
チャリティーコンサート「岩手のために」
2015年4月18日(土)18時半開演
会場:マンハイム市、Aula im Karl-Friedrich-Gymnasium in Mannheim
ウォーク・コンサート、リート“英雄 と 伝説”
(共演:黒澤理佐子、ソプラノ)ゲルメェルスハイム・夏期音楽祭

2015年6月26日(金)19時~ 
会場:ゲルメェルスハイム市、Kulturzentrum “Hufeisen”
室内楽コンサート、カールスルーエ300周年記念祭
“カールスルーエの作曲家シリーズ”

2015年7月17日(金)19時半開演
会場:カールスルーエ市、Stephanssaal
室内楽コンサート“フランツ・ダンツィの夕べ”
(共演:ノートス・クィンテット)

2015年10月15日(木)19時開演
会場:カールスルーエ市、Vortragssaal der Badischen Landesbibliothek
チャリティーコンサート「岩手のために」
2014年3月22日(土)19時開演
会場:カールスルーエ市、Stephanssaal
朗読と音楽シリーズ “SÜDWÄRTS”
2014年10月26日(日)17時開演
会場:カールスルーエ市、Centre Culturel Franco-Allmand Karlsruhe
ソロリサイタル
2013年3月3日(日)11時開演
会場:バーデン・バーデン市、 Alten Ratssaal
室内楽マチネー
2012年11月25日(日)11時開演
会場:バーデン・バーデン市、Alten Ratssaal
セントラル愛知交響楽団第111回定期演奏会
2011年3月18日(金) 18時45分開演
会場:名古屋市、しらかわホール
フランツ・リスト 生誕200年記念展示会
オープニング・コンサート

2011年5月26日(木) 17時開演
会場: シュトゥットガルト、Haus der Heimat
Klavierabend in Leipzig
2011年9月16日(金) 20時開演
会場:ライプツィッヒ市、シューマン・ハウス
フランツ・リスト 生誕200年記念展示会
オープニング・コンサート

2011年9月25日(日)11時開演
会場:バーデン・バーデン、Alten Ratssaal
ピアノリサイタル
2011年11月12日(土) 19時開演
会場:エルフトシュタット、グラハト城
ピアノリサイタル
2010年2月7日(日)16時開演 
会場:Wingen (フランス)
Schunke Archiv Konzert
2010年4月11日(日)11時開演
会場:バーデン・バーデン、Alten Rathsaal
ホルデンシュテッター城音楽週間2010
2010年9月11日(日)18時開演
会場:ウェルツェン市、ホルデンシュテッター城
ピアノリサイタル
2010年10月31日(日)19時30分開演
会場:シュラーゲンバッド市

演奏会批評から・・・

…これこそ、リズムの力から打ち上がる、花火である…。
ウェストフェーリッシェ・ルンドシャウ紙

…彼女のデリケートな打鍵と、対位法の明晰さ、ここに、偉大なるモーツァルト奏者あり…。
ナサウィッシェ・ノイエ・プレッセ紙

…後期ロマン派のロシア音楽においての彼女の腕前が、哀愁と憂い漂うメロディー、力強く完璧なテクニックの、リズミカルなパッセージと共に、趣味の良さ、勘の良さを証明していた…。
ケルナー・シュタット・アンツァイガー紙

垢抜けしていて自分が言いたいことをいっぱい持っているピアニスト…次になんと誰でもよく弾くシューベルトの楽興の時が、また、この作品がこんなに深い喜びに満ちた、素敵な曲だったかと、何度も首をかしげたくなる見事な「語りかけ」に満ちていて唖然とする名演。… 
ムジカ・ノーヴァ誌

…完璧なテクニックと真珠のように輝くパッセージ、ファンタジーにあふれる音楽性、ほとばしるような速いパッセージと夢見るようで親密なアンダンテ、彼女は聴衆を完全に魅了してしまった。… 
ケルナー・シュタット・アンツァイガー紙

…輝かしいテクニックも然る事ながら、それ以上にこの曲を魅了していたのは、この女流ピアニストの上品な音楽性である。また、音の魔術師ショパンを、彼女の際立った音色の世界が、見事にこなしていた…。
ケルナー・ルンドシャウ紙

バガテルにおいても大家…佐野恵の場合、完成したテクニックは、情緒あふれる、繊細な演奏の背景でしかない…バガテル(小さな物)から、6つの小さな名品に仕立て上げていた。…
ケルナー・シュタット・アンツァイガー紙

…佐野恵は、高水準の、ピアノの叙情詩人。“版画”の、「塔」や、 「グラナダの夕べ」における、音色の香りや、“森の情景”における、音の花環 と、ハーモニーの変化など、全てが、上品かつ、魅惑する効果を出していた。 特に、ブラームスでは、内向的かつ沈思した間奏曲を、深い親密感と、強い感受性 の意味を持って、聞き入った。それに留まることなく、ドラマティックな カプリチォも、十分に聴く事が出来た。…
ケルナー・ルンドシャウ紙

生気あふれる演奏と卓越したピアニズム…
バーディッシェ・ノイエステ・ナッハリヒテン紙

音楽的な親近感が聴衆を感動させるのである…佐野恵が弾くこのソナタやそれに 続く作品、ダヴィッド同盟舞曲に、ただ魅了されるばかりである。
バーディッシェ・ノイエステ・ナッハリヒテン紙

…全てが大きな目的の下に置かれ、それに一直線に、そして当然のごとく舵を向けるかのような佐野恵の演奏は、まるでこのソナタがいともたやすい物の様である。
バーディッシェス・タークブラット紙

佐野恵は、このケーニッヒベルグ出身の作曲家を虚栄無く強いものに仕上げて― その作品を、誇張せずに、綿密なフレージングで内面的な本質を把握して目的を果たしている。
フォノフォールム誌 CD アドルフ・イェンゼンについて

・・・マズルカ op. 15 No. 2 での、ギターで和音を弾くように鋭く裂いて、柔らかく反響させるところなど、腕利きの彼女が熟考とファンタジーで作品に取り組んでいることがわかる。
ベルリン新聞紙 CD アナトール・リャードフについて

目を閉じて聴いていると: 今弾いているのはモーツァルト? もちろん、そうではない。 しかし、佐野恵が弾いているように、1788年4月7日ウィーンのブルク劇場で彼が弾いたのではないだろうか、ウィルヘルム・ケンプのベートーヴェン的なカデンツを除いて。 感じのいい、華奢で小さい彼女は、上腕から操縦された指の動きで、精彩を放ち、彼女の繊細な 音楽性で、聴衆が感激するモーツァルトを聴かせた。 非常に繊細なピアノの部分と、彼女の体からは、想像できない正にベートーヴェン的な威力的響き、独奏のクライマックスは、カデンツにあった。・・・
バーディッシェ・ノイエステ・ナッハリヒテン紙, モーツァルト ピアノ協奏曲 ハ短調 KV491

続いて、北欧の民族音楽を想定させるエドワード・グリークのピアノ協奏曲。ここに、有名な 日本人のピアニスト佐野恵がソリストとして獲得された。第1楽章では、的を得たコントラストと、立体的な構成、カデンツでは多様な響きの美しさで演奏。彼女のオーケストラとの良い掛け合いが、Adagioでの心温まる感触、そして著しく動く部分でも生かされていた。技巧的な終楽章での微妙なダイナミックの陰影をつけた演奏も有利だった。聴衆の感激した喝采にグリークの叙情小曲集からのアンコールで答えた。
バーディッシェ・ノイエステ・ナッハリヒテン紙

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